妊娠中に血糖値が高くなる「妊娠糖尿病」。診断されると「食事はどう変えればいいの?」「赤ちゃんに影響はあるの?」と不安になる方も多いと思います。妊娠糖尿病は、正しい食事と生活管理でコントロールできることが多く、無理なく取り組める工夫を知っておくことが大切です。今回は、妊娠糖尿病と診断された場合の食事のポイントや具体的な工夫を解説します。
妊娠糖尿病とは?
妊娠中に初めて発見される耐糖能異常(血糖値の異常)を「妊娠糖尿病」と呼びます。妊娠に伴うホルモンの影響でインスリンの働きが弱まり、血糖値が上がりやすくなるのが原因です。放置すると赤ちゃんが巨大児になる、早産・難産のリスクが高まる、将来的に2型糖尿病になりやすくなるなどの影響がありますが、食事と運動で十分コントロールが可能です。
妊娠糖尿病の食事で意識したい5つのポイント
- 血糖値を安定させる「分食」:1日3食+2〜3回の軽い間食で血糖値の急上昇を防ぎます。
- 主食は「ゆっくり吸収されるもの」を選ぶ:白米よりも玄米・雑穀米・全粒粉パンなどが◎。
- 野菜・たんぱく質から食べ始める:食物繊維とたんぱく質で血糖値の上昇をゆるやかに。
- 甘い飲み物・お菓子は基本NG:果糖・砂糖が多く含まれるジュースやスイーツは控えましょう。
- 1回の食事量を見直す:「満腹」まで食べず、腹八分目を意識。
おすすめの食材と控えたい食材
積極的に取りたい食材
- 野菜(とくに葉物・根菜):食物繊維が豊富で血糖値を安定
- 大豆製品(豆腐・納豆・おから):たんぱく質源で低GI
- きのこ類・海藻類:低カロリーで満腹感を得やすい
- 白身魚・鶏ささみ:良質なたんぱく質源で脂質も控えめ
控えたい食材
- 白米・うどん・食パンなどの精製された主食
- 果物の過剰摂取(バナナ・ぶどう・メロンなど糖度が高いもの)
- ジュース・清涼飲料水・加糖ヨーグルト
- 市販のお菓子・ケーキ・アイスなど
間食(補食)の取り方
血糖値の安定のためには、軽めの間食(補食)を取り入れるのも効果的です。
- 無糖ヨーグルト+きなこ
- ゆで卵
- ナッツ(無塩)
- チーズ
- こんにゃくゼリー(無糖)
※甘いものが欲しくなったら、食後すぐより「間食として少量」取り入れるのがポイント。
外食・コンビニ活用のコツ
- 定食系で主食少なめ、野菜とたんぱく質が多いものを選ぶ
- ドレッシング・タレ類は「別添」にして調整
- コンビニでは、サラダ+焼き魚+豆腐やゆで卵の組み合わせが理想
食事だけでなく、運動も大切
食後30分〜1時間の軽い運動(15〜30分のウォーキングなど)も、血糖値の上昇を抑える効果があります。食事管理と並行して、医師の許可を得たうえで運動も取り入れていきましょう。
まとめ
妊娠糖尿病と診断されても、落ち込む必要はありません。食事の工夫と適度な運動で血糖値は十分コントロールできます。「赤ちゃんと一緒に健康的な食生活を学ぶチャンス」と前向きにとらえて、自分の体と向き合う習慣を作っていきましょう。必要があれば管理栄養士や医師と相談しながら、安全で穏やかなマタニティライフをお過ごしください。