帝王切開は赤ちゃんとお母さんの安全を第一に考えた出産方法の一つです。医師の判断で事前に手術日が決まる「予定帝王切開」の場合、心構えや準備ができるというメリットがありますが、初めての経験に不安を感じる方も多いでしょう。今回は、予定帝王切開における入院から手術、退院までのスケジュールを時系列で分かりやすくご紹介します。
予定帝王切開が選ばれるケースとは?
医師の判断により以下のような理由で予定帝王切開が選ばれます。
- 逆子(骨盤位)や多胎妊娠
- 前回の分娩が帝王切開で今回も自然分娩が難しい
- 前置胎盤、常位胎盤早期剝離のリスク
- 母体の持病(心臓疾患・子宮奇形など)
- 赤ちゃんの発育異常や合併症
計画的に出産に臨むことで、赤ちゃんやお母さんの安全性を高められる点が特徴です。
帝王切開の入院から退院までのスケジュール
【1〜2週間前】
- 手術日決定(通常、妊娠37週〜39週の間)
- 術前検査(血液検査、心電図、尿検査など)
- 麻酔科医からの説明
- 病院へ入院に必要な書類や持ち物を確認
【手術前日】
- 入院(手術前日の午後〜夕方が多い)
- シャワーや剃毛処置(病院による)
- 絶食(夕食以降は禁止)と水分制限(就寝前に終了)
- 赤ちゃんの心音チェックやモニタリング
【手術当日】
- 点滴開始
- 麻酔(下半身麻酔が一般的。必要に応じて全身麻酔)
- 手術(所要時間は30〜60分程度)
- 出産後は赤ちゃんの健康チェック、母体の回復観察
- 術後は病室で安静(当日は飲食不可)
【術後1日目】
- 体調が安定していれば飲水・食事再開(流動食から)
- 歩行開始(ガスが出たらトイレへ)
- 点滴や尿管の抜去(状況に応じて)
【術後2〜3日目】
- 赤ちゃんとの母子同室がスタート
- シャワー解禁(医師の許可が必要)
- 傷口のチェックとガーゼ交換
【術後5〜7日目】
- 退院(術後5〜7日が目安。病院により前後あり)
- 退院時に医師の診察と赤ちゃんの健康確認
手術前の心構えと準備ポイント
- パートナーと手術当日の流れを共有しておく
- 入院バッグは術後でも取り出しやすく分けておく
- 手術への不安は助産師や麻酔科医に相談
- 術後はすぐ動けないので「呼び出しベル」や「水差し」があると便利
まとめ
予定帝王切開は、リスクを回避しながら安全に出産するための選択肢の一つです。事前にスケジュールや流れを理解しておくことで、精神的な不安もぐっと軽減されます。家族や医療スタッフと連携しながら、落ち着いて出産の日を迎えましょう。赤ちゃんに会えるその瞬間まで、しっかりと準備を整えてくださいね。